『あのねぇ・・・
普通、そんなこと聞く?!
作品に興味があっただけよ。』
なんとか心臓を平素に保ち
ながら、口にした。
『うーそばっかり。
あんた、20分近くそのページ
開いたままじゃん。』
・・・ぐっ・・・
いつから居たのよ。
この子・・・
『そのページ、俺の顔しか
写ってないぜ。』
・・・まさか・・・
見惚れてましたーーー等と
言える訳もなく
考え事をしていたと
ごまかしたのだけど。
ーーー確かに本人の言った通り
このページには、彼のスナップが
山盛り載っているだけで。
『考えごとねーーー。
いいオトコだと思った?
・・・恋人だったらーーー
とか。』
彼の愉しげな問いに
『最後のは、思わないっ』
と、間髪おかずに応えた
けれども・・・
『イイオトコだとは、
思ったんだ?』
口元に笑みを浮かべて
彼はジリジリとにじりよる。



