crystal love


私はーーーー


何からーーーー



何から、逃げていたのだろう。



自分に対する恩情ーーー


気遣いーーー



「わからなくなってきた。
ーーーもう・・・」

「思い込んでるだけだよ。
逃げなきゃ・・・って。」

私の呟きすら、
ジェスは、拾って。

冷静になれない。
今日は、ダメだーーーー


ジェスとの間に
すり替えられる様な
楽しい話題なんて無く。

あるのは、
ファミリーとしての思い出と
語学院での記憶・・・


彼はーーー


沈黙を恐れたりしない。



長身な彼には
いささか小さすぎるだろう
私のベッドで・・・

あたりまえの様に
私の背後から腕を回し抱き
一緒に眠る。


寝返りをうてば
極、近距離に、長い睫毛と
形のいい鼻筋、ピンクの唇に、
釘付けにされて。


「狭いなぁ・・・もうっ。」

鼻をつまめば
2~3度眉間をヒクヒクさせて
唇から息を、ほぅっと吐いた。


それでも彼は
安堵の表情で眠るのだった。