「ほらジェス。貸して頂戴。
何か用があって電話かけてる
ハズなんだから!!」
受話器に手を伸ばせば
彼は、それには触れさせまいと
体をよじる。
「ディオナに何か用?」
『ああ・・・代わってくれないか?
ディオナに。』
「もちろん。ただし、
明日は俺が先約してるよ。
それでも良かったら。」
そんな会話を終えたジェスは
憮然とした表情で受話器を
寄越してきた。
「あ・・・ボス・・・
すいませんでした。」
気まずいーーーー
何とも気まずい間合いで
話し出した私に、電話越しに
ボスも明らかに狼狽えた風に
驚かさないでくれと、苦笑する。
隣室で話そうと、ドアノブに
手をかけたと同時に
背後から体をホールドする
オトコの腕が2本ーーー
首筋に、にじりつける様に
感じる唇と・・・
開いた唇から這わされる
濡れた感触に腰がくだける。



