「ギャッッ…ったい…」





この前こけた出っぱったマンホールにつっかかって


前につんのめって転んだ





「…痛い…ッ…」





ひざからは血がでてきた


早く立ち上がらなきゃいけないのに


涙が溢れてきて頬を伝う


もう支えてくれた楢橋くんはいない


支えてくれて少し笑ってくれた楢橋くんはいない






「…ふぇ…うぅ…」






もう…涙を我慢する必要だってなくなるわけで





「あれぇー?なに泣いてンのー?」



「なぐさめてあげよっかー?」





頭の上から2つの男の人の声がふってきた






「…うぅ…大丈夫です…」