「…それで?どうなったの?」





「…どうもない…なんも…うぅ…」





「泣かないんじゃなかったの?」





「…楢橋くんの前だったら泣かないもん」





うーちゃんが教室の入り口に目を向ける





「ほらッ噂の王子様きたよッ」





「わ、わかってるよッ」





一瞬目があった気がしたけど


涙を隠すので必死でいきおいよくそらしてしまった






…お願いだから…お願いだから…


嫌いにならないでよ…








「ねぇ、夢…なんか…変じゃない?」





「なにが?」





うーちゃんが向こうを指差しながら言う