「夢…そこ転ぶぞ」





「え…わぁッ」





帰り道、少しでっぱっているマンホールで


あたしは前につんのめった





「お前毎回毎回学習しろよ」




楢橋くんの手があたしの体を支えていて


あたしは地面とごっつんこしなくてすんだ






「…ごめん」





ふと近づいた楢橋くんの顔が近かった






「…え…どうしたの?」





目の前の真っ黒な瞳に


あたしの顔がうつっていた





「…なんでもねぇけど」





すぐに見えなくなって


隣の少し上のほうで楢橋くんがため息をついた音が聞こえた