「…な、楢橋くんッ帰ろうッ」





「…ん」






帰り、あたしは珍しく楢橋くんを誘った


いつもはなんとなくただ一緒に帰るから


一緒に帰るのはいつものことなのに結構緊張した






「でねッ昨日ねッうちの犬がねッ」





「…ん」






いつもあたしが馬鹿みたいな話しても


楢橋くんはちゃんと聞いてくれた





「…あ」



「ん?」






目の前には小さな女の子が走っていた


その子があたしがいつも転ぶマンホールのでっぱりで


転んだ






「…ふ…うわぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁんッ」





小さな女の子の大きな声が響いた