リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『純愛』・3

「それじゃっ…ちゃんと進路通りに進んでっ、一人前になったら、先生は認めてくれるんですか?」

声のおかしさに気付いて彼を見ると、…泣いていた。

ボロボロと。

「あわわっ!? 何も泣くことないじゃない!」

少しきつく言い過ぎたかな?

慌ててポケットからハンカチを取り出し、彼の涙で濡れた頬をふく。

「すみまっせん…」

「いいのよ。ゴメンなさい。ちょっと言い過ぎたわ」

年下に、…いや、生徒にムキになった。

教師失格だ…。

でもここで、投げ出すワケにもいかない。

あたしは教師なんだから。

このコの担任として、振るまわらなきゃ。