「…オレが学生でいるうちは、先生のことしか考えたくなかったから…」

「…はい?」

「だから他のことなんて、考えたくなかった。先のことを考えれば、それは先生のいない生活のことだったから…」

ああ…。

確かに進路を考えるということは、ここを卒業してからどうするということを考えること。

その時、あたしは彼の側にいない。

「…だから進路先を考えていなかったの? 子供の考えねぇ」

ため息まじりに言うと、ムッとしたように顔を上げた。

「ガキだよ、オレ。先生より15も年下だもん」

ぐさっ★

きっ気にしていることを、サラッと言いやがって。

このガキがっ…!