リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『純愛』・3

苦笑する彼は、スーツを着こなしている立派な社会人だ。

…あたしより、しっかりしてそう。

「そう…だったの。立派になったわね」

思わず胸が熱くなる。

目も熱くなって、涙が浮かんでくる。

生徒の成長は素直に嬉しい。

「はい。これなら、先生に一人前だって、認められると思って」

「えっ…?」

「忘れたんですか? オレがちゃんと一人前になったら、もう一度告白して良いって言ったじゃないですか?」

「にっ似たようなことは言ったけど…」

「オレはこの五年間、その言葉を支えに、生きてきたんですからね」