「き、気安くあたしの名前呼ばないでよっ。1年のくせにっ」 紗菜さんは頬を膨らましながら、あたしをはらった。 「紗菜さんったら何言ってるんですか〜。あたし達は良き、恋敵(ライバル)でしょう?!仲良くし」 「誰が仲良くなんてするもんですかっ。ただあんたが可哀想だから洵介くんに話しかけてもいいって言っただけよ。誤解しないで」 「それでも嬉しいんですっ♪」 「……あんた相当変な奴ね」 そう言って、そそくさとあたしの前を通りすぎた紗菜さんだった。