「さ、紗菜さん……」 目の前には紗菜さんがいた。 「どうしたん「ごめんっ、満川」 イキナリ紗菜さんが謝りだした。あたしの目はぱちぱちしている。同じく香里も。 「さっ、紗菜さん?」 「まさかこんなことして満川が泣くなんて思ってなくて、本当にごめんっ」 「紗菜さん……」 「それにあたし気づいてたんだ。こんな卑怯な手を使って洵介くんにアタックしても、洵介くんは振り向いてくれないって」 紗菜さんの目はマジだった。 「あんな卑怯な勝負してごめん。やっぱり勝負っていうのは、正々堂々とするものね」