香里はあたしの髪を優しく撫でてくれた。
あたしは、香里の制服をぐしゃぐしゃにするくらい泣いた。
「なんか今日、ぐしゃぐしゃDAYだね」
香里が笑いながら言った。
「ねぇ、香里……」
「何?」
「あたしこのまま、ずーっと洵介先ぱいと話せないのかな?洵介先ぱいが卒業するときも、第2ボタンももらえないのかなぁ……っ」
「うーん、どうなるんだろう。でも、まず第2もらえるかわからないけどね」
「こういう時くらい気ぃ遣ってよね、香里っ」
話せないまま卒業しちゃうなんてやだ。
見つめるままなんてやだ。
「満川……だよね?」
すると香里じゃない声が聞こえた。あたしは慌てて顔を上げた。


