「はぁっ、はぁっ……」
息切れをしながら誰もいない廊下にたどり着いた。
手に持っていた預かりものの資料はぐしゃぐしゃだ。
あたしの心もぐしゃぐしゃだよ。
「真柚?」
嫌われちゃった……
「真柚、大丈夫?」
洵介先ぱいを無視しちゃった……
「真…」
「香里ぃ、もう嫌だよ……。あたし今度こそ、ほんとーに嫌われちゃったよ……」
あたしは香里に飛びついた。
香里はしっかりと抱き締めてくれた。
こんなに辛いなんて……好きな人と話せないのがこんなにも悲しいなんて……
「もぉやだよぉ……っ」
ただ弱音を吐くことしか出来なかった。


