翔は慌ててあたしにくちゃくちゃのハンカチをくれて、ごめん。こんなつもりじゃなかったのにって何度も言ってた

和歌子はこの事態に気付いて、あたしを抱きしめてくれた

けんたはあたしの背中をずっとさすってくれた


涙が偽りのものじゃなくなった瞬間
あたしはまた人間に戻れた気がした

この時初めて思ったの
みんなになら話せる
誰にも言えなかった心の声を
聞いてほしいって。


まだ中学一年生の翔が必死に恥じらいもせず、あたしに伝えてくれた言葉は魔法の言葉だった
あたしの心の鍵を開ける魔法の言葉








あの時翔が言ってくれた言葉
あれがなかったら、あたしまだ過去の世界に生きてた

ありがとう
心の底からあなたに伝えたい