「…ただ、仕事サボりたかっただけ。でもあんた一人で仕事もかわいそうだなって思ったから本読みながら待ってた」

「でも早退じゃ…?」

「…それもサボりたかっただけの嘘」

「でも、待ってくれたんだよね!ありがとうっ!」


その時、私はある物が視界に入った。そのある物とは傘だった。

丈くんは黒い傘を広げ、私を見た


「…じゃ、俺は帰るよ。あんたは車?」

「歩きだよ?でも傘無くて…」

「…そっか、頑張れ」

「え…?」


丈くんは私に後ろ姿を見せ、ゆっくりと歩いて帰って行った



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