家に帰っても胸の高鳴りは続いた。
上原くんの顔を思い出すだけでどきどきした。
・・・なんかの病気なのかな?

そう考えているうちに朝が来た。
いつの間に寝ちゃったんだろう・・・
私は制服を着、歯を磨き、家を出た。


「矢崎、おはよう」
「桜おっす」
「桜ちゃーん!おっはよ!」
「おはようございます!神さん、麗先輩、秀くん」


私は近くに鞄を置き、あいさつ運動を始めた。


「しっかし丈は相変わらずおっせーな」


麗先輩のその一言にドキッとした。
今の私、顔赤いんじゃないかな?そう思い、顔に両手を当てる。


「お!丈来たっ!おはよー!」


秀くんのその一言で私は物陰に隠れた。


「おはようございます・・・今日はあいついないんすか?珍しいっすね」
「あいつって・・・桜のこと?」
「さっきまでいたはず・・・あ」


秀くんがこっちに近づいてきた。
今の私の顔は誰にも見られたくない!顔赤いし・・・!
秀くんは私のいる手前で止まった。


「秀ーいたかー?」
「ううん、いないみたい。ただの虫だった。あと、虫怪我してるみたいだからちょっと見守ってていい?」
「悲しいやつだな、虫相手に・・・」


秀くんはしゃがんで、私の横を陣取った。


「何してんの?桜ちゃん」
「へ!?えっ、えーっと・・・私も虫の観察を・・・」
「虫なんていないよ。あれはとっさの嘘だよ」
「えっ?そ、そうなの!?」



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