『睨まないで。』

稜の手を引っ張り部屋に入り
一言いうと余計ににらまれた。


『今年の始まりに帰ってきたと思ったら
いきなり出ていって男出来た…ってか。

前は良い子だったのに。
真面目で自慢の娘だった。

それに女子高生を泊めるような男がロクな…』


『コーキを…コーキを悪く言わないで!』

ついパパの言葉を遮ってネクタイを掴んで言ってしまった。

パパの吃驚した顔が私の目に映った。

大切な人を悪く言われるのは悲しい。

『もう、本当にお前ってヤツは…』

呆れ顔が切なかった。
もうパパが自分でつけた名前さえも呼んでもらえない。