『お前のそのピアスも 好きな男の車を見つけてマンションから幸せそうに走ってきた姿も 何よりも カレンの心がカレンが俺を見てさえいない』 頭を抱え倒れ込んだ稜に もう昔のように『ごめんね、私が全て悪いの』と言って抱きしめる事も何も出来ない。 出来るのは、 『稜は今も昔も私の大切な゛友達″だよ』 励ましという哀れみを口にする事だけ。 すると私の言葉を聞いた稜は ただ一点を逸らす事なく見つめた。 私の耳に光る『K』のピアスを。 きっと、稜は知っている。 カレンのKではなくコーキのKだと。