なんとか氷刀を手放すことはなかったが、片手でオメガの太刀を受けきるのは難しい。
がら空きになった腹部に左手の拳が突き刺さるが、痛みを負ったのはオメガの方だった。
腹部に氷を纏い、防護服の役目を果たす。
口笛を鳴らすオメガ。
だが防護壁は衝撃を完全に吸収することは出来ず、氷の鎧は簡単に砕けた。
レインは距離をとろうと後退するが、オメガは問答無用に攻め込んでくる。
右へ左へ、流れるような怒涛の攻撃。
太刀筋を読みなんとか防ぐだけで精一杯。
このままでは力負けし太刀を浴びる。
レインは太刀を受けながら、オメガの足元に視線をやった。
些細な動き。だがオメガは見逃さない。
足元から現れた鋭利な氷柱。