霧が完全に晴れる。


太陽が昇り始め、辺りは淡いオレンジの世界に包まれる。


朝日に照らされるは巨大な紅い結晶体。


そして、戦いを終えた六人の戦士達。


「やったの……か?」


「嗚呼、私達はドラゴンを破ったんだ」


幻龍の気はもう読み取ることができない。


封術式・氷血結晶。


自らの血液を媒体にした氷眼の民の秘術中の秘術。


最強の封印術であるこの魔法を解く方法は術者であるレインでしか知り得ない。


その術者であるレインは、右手を口に当て咳き込んでいた。


すかさず近くにいたエナが様子を伺う。