SAYONARA

 学校を出ると、いつのまにか鮮やかな夕焼けが辺りを包み込んでいた。

 その曖昧な光は一日中憂鬱な過ごさせたあたしにある記憶を呼び起こさせた。

「柚月はどこを受けるんだ?」

 部活を引退し、勉強を教えてくれとせがむようになってきた、功のペンの動きが止まる。

 そのとき、窓辺から差し込んできた艶やかな夕焼けが、今の夕焼けが似ていたのだと思い出す。

 彼のまっすぐな瞳があたしの姿を捉え、彼の言葉にドキッとしていた。

「S高校」

 それは今通っている高校だった。そこを選んだのはただ家から近いし、まず確実に合格するからだ。

「そこを受けるんだ。じゃあ、俺もそうしようかな。サッカーも強いし」

 流れるように聞こえてきた言葉を最初、聞き流していた。
 だが、言葉の意味に気づき功を見る。
 功は笑顔を浮かべる。