SAYONARA

「おいしそう」

 さっきまで厳しい顔をしていた由紀子の興味は果物によって彩られたケーキに向いたようだった。

 彼は顔をほころばせると、目を細める。

「おいしいと思うよ。じゃ、ごゆっくり」