SAYONARA

 昨日と同じ時間に出ると、二人と会う可能性が高いことくらい分かって
いたはずだ。

 こんなことになるなら、もう少し学校に行く時間を考えればよかった。あんな場面を見なければよかった。

 そう心の中でつぶやくと、自分の間の悪さを呪いたくもなってきた。

「おはようございます」

 明るい声が届き、振り向くと由紀子があくびをかみ殺し立っている。

 彼女の視線があたしの向こう側に行く。

 そして、小さく声を漏らし、眉根を寄せた。