SAYONARA

 そんな彼を見て、彼は彼女など作らないし、あたしも彼氏なんて作らないと勝手に思い込んでいた。

 だが、それを変えたのがあの子だった。

 だから余計に目の前にいる二人を見ていると、でてくるため息の量が増える。

 目の前にいたのは美枝と功。

 昨日の笑顔を見なければ、功に対して少し反発するような気持ちを持ったまま二人の様子から目をそらしていただろう。だが、今日だけは美枝が気になり、目が逸らせなかった。