「『覚えてないの?』ってなんの話? フウタ君を抱きしめたって話は覚えているけど?」


あたしの解答にミズノ君だけでなくいつの間にか追いついていたフウタ君やカイジ君までもが溜め息をついていた。


人の周りで溜め息つくなんて酷くない?


3人が溜め息をついていたのに若干の苛立ちを覚えムスッと不満を顔で表した。


「ヒカリは…フウタの能力を受け過ぎて、倒れたんだよ」


「うわっ!」


急に現れたライト君につい驚いてしまう。


近づいてくる音なかったよね?!


「『うわっ!』ってヒカリ…ひどい」


ライト君は怯えた子犬のような目をしながらあたしを見つめる。


うっ…! そんな顔で見つめられたらあたしが悪いみたいじゃん。まぁあたしが悪いんだけど。


「ライト君。ごめ「お前が急に現れるのが悪いんだろ?」」


あたしが謝ろうとしたらカイジ君が割り込んできてライト君の頭を叩(はた)いていた。