笑ってる?


俺が?


俺は自分の顔を触って確かめる。


『余裕、なのかな?それとも極度の緊張がずっと続いたせいで壊れちゃったのかな?』


その二択ならば間違いなく後者になるだろう。


けれどそんな自覚も、なにより事実もないわけで錯覚に他ならない。


「もしかしたら、俺はまだこのゲームを面白くできるかもしれないぞ?」


俺の言葉に反応したのかチェシャ猫の尾がピタリと止まる。


食い付いた。そう捉えていいものかはわからないが、逃す手はない。


「どうする、チェシャ猫。俺を生かすか?」


口角を吊り上げ、わざとらしく笑みを深める。


ニヤニヤ笑いの猫と作り笑いを浮かべる俺。


その対峙は端から見ればきっと笑える図なんだろうな。


そんな思考を流しながら、さて。これからどうしたもんかな。