光二は冷たくそう言い放つ。
「さぁ吉井さん。拳銃を」
「……さっき言った。『ありがとう』。取り消すわ。最低よ」
「最低、ね。遥にも言われたっけな」
吉井は憎々しげに光二を睨みながらに不愉快を隠さずに光二に銃を手渡す。
「サンキュ。吉井さん」
光二は受け取った拳銃を、そのまま転がっていた男子に向けた。
思わず陽一は光二の肩を掴み、無理やり自分の方を向かせた。
「何するつもりだよ」
「何、って。決まってるだろ?」
光二は何故か驚いた表情を見せる。
「コイツを殺すんだよ」
「お前、ーー」
ーー本気か?
そう聞こうとしたが、陽一は止めた。
今の光二には聞くだけ無駄だ。
やると言ったらコイツはやるだろう。



