「別に、邪魔する気はない」
陽一は疲れたように言う。
男子は「だよなぁ!!」と下卑た笑みを浮かべた。
「ただ、さ」
「あぁ?」
「ウザいんだよね。お前」
カチャリ。
陽一は自らのこめかみから男子へと銃口を移した。
男子の笑みは固まる。
「何の、つもりだよ」
陽一は答えず、女子を横目で見た。
「君は生きたい?」
驚いた表情を隠さず女子は言葉を上手く理解出来ないのか言葉に詰まる。
しかし数拍の内に彼女は首肯した。
陽一は再び男子に視線を戻す。
「僕さ。自殺しようとしてたんだけど、いいや。お前殺して死んだ方が様になるよな」
「お、ちょ、ちょっと待てよ。お前マジで言ってんのかよ!?」
「冗談をいう気力は残ってないよ」



