犯人ゲーム




再び目を瞑り、視界を、ついでに心も闇に落とす。というか堕とす。


出来れば耳もいっそ聞こえなくなって全てが闇に落ちれば、どれほど安らかだろう。


けどそれは当然叶わない願い。


「どうでも…いい」


呟きは、誰かの怒声によってかき消された。


聞き慣れた声。


このタイミングで声を張る事が出来る人間は、一人しか知らない。


日和見な所があると思えばいつの間にか物事の先頭にいる奴。


多分、『あいつ』が一番早く『犯人』に辿りつくだろう。


そして、『あいつ』は『犯人』を目の前にしてどうするんだろう。


撃つ?それとも知らないフリ?


『あいつ』に限ってはどちらもありえるな。


徐々に、意識が深遠に近づいていく。


声が離れてく。


再び、闇に抱かれて眠ろう。


また起きた時、会えたらいいな。


親友達に。



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