私は再び通路に靴音を鳴らし始める。
男の死体の横を通り抜けて。
カツンカツンとローファーの音が通路に反響する。
それは孤独を嫌でも意識させる。
あぁ、それと今更だけどお腹すいたなぁ。
食べ物ならなんでもいいけど、出来るなら白いご飯が食べたい。
無理な話だろうけど。
そんな空腹を垂れ流しながら、それなりに歩いただろう。
薄闇続く朴訥な風景に僅かながら変化が現れた。
最奥にポツリと赤い光。
近づくにつれその光の下の扉も視認出来るようになった。
これが、次のゲーム会場なのだろう。
今度もまた愚かにも互いの命を奪い合うのかな。
一つ瞑目した。
ドアノブを握る。
目を開けてドアノブを回した。
……。
なんともなしに、私は振り返ってみた。
薄闇が広がり、サイドには無機質な明かり。
後ろに陽一と光二と遥がいたような気がしたのだ。
いつものように、笑って。
「がんばれ」
笑顔で私を見てくれて、そう言ってくれてる気がした。
妄想か、幻影か、はたまた幽霊か。
真贋なんてどうでもいい。
親友達であるならなんでもいい。
「……がんばるよ」
私はそう呟いて扉を押し開けた。
ー了ー



