「お願い。ーーもう死んで」
「ま、待って…っ!?」
引き金を引くと、通路内に銃声が反響した。
それから重いものが倒れる音がした。
細身の男が頭から血を流し倒れている。
私が、殺した。
この手で私が殺したのだ。
その認識が私を襲う。途端に膝が笑って、崩れ落ちそうになった。
いつもなら、誰かが支えてくれる。
けど今ここにいるのは私と死体だけ。
誰もいないのだ。
涙が溢れた。
膝をついて、嗚咽を上げてみっともなく泣く。
誰もいないから、泣く。
世界に一人ぼっち。そんな錯覚にもならない錯覚が悲しくて。
泣いてしまえば楽になるの?
誰かが肩に手を置いてくれるの?
淡い希望は湧いてはすぐ霧散していく。
私はもう、独りなのだ。
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