背は高く、痩身の男は舐めるような視線を私に向けていた。
体に嫌悪感をまとった鳥肌が立つ。
「君の優勝を祝に来たんだ。そう警戒しないでよ」
そんなの無理な話だ。
「祝福なんていらないよぉ」
「それでもね、僕は君を祝福しないといけないんだよん」
口調。話し方が似てるせいかどこか所々引っかかる物言い。
祝福しないといけない。それはどういう意味だ?
「そうそう、君のお父さんとお母さんはゲームに負けちゃってね」
「死んだの?」
男は少し驚いたような顔をする。
「両親が死んだのに、やけに恬淡(てんたん)だね。悲しくないのかい?」
「両親は人が良いから。こんなゲームで生き残れるような人達じゃない」
言って、なんだか悲しくなった。
私にもそんな不器用さがあれば、こんな感情に苛まれる事もなかったはずだろう。



