『alphabet』の六文字目?
つまり、B?
「『B』から始まる色って事か」
「そ、でも『B』から始まるって言っても色々あるよ。『blue』『black』『beige』とか」
それに、『brown』。
ピッ。と、漆黒の虚空に不可視の文字を描き続けていた指が陽一と望美の目の前で止まった。
『brown』。言わずもがな、日本語訳は茶色である。
「望美、お前」
望美。名字は『茶屋』。
彼女の名前の頭文字には茶色がある。
それはつまり。
「んじゃあ、最後のヒント。よーいちは寝てて聞いてないと思うから、教えたげるよん」
思考は望美の言葉に断ち切られた。
薄い微笑を浮かべながら。
「……最後のヒントはね、『犯人は動かない』」



