「お前」 「え?」 「結構、まつ毛長いんだなあ」 そう言われて、そっとまつ毛に触れられる。 「うわー長」 「ほら、もう手当て終わったよ。はい、さよなら」 「酷!」 「酷くない!じゃあ、また明日学校でね」 「うん、さんきゅー。じゃあな」 光輝を玄関まで見送って、あたしの唯一の祝日は、あっけなく幕を閉じてしまった。