ガサ、ガサ、ガサ、と音がだんだんこっちへ近づいてくる。 その時、ホテルのオーナーさんが言ってた言葉をふと思い出してしまった。 『昔からここの森に恨みを持った女の人が住みついていて、弱っていたり、一人でいたりすると、お構いなく自分がやられたカマで襲いにかかってくる』と。 いや。もう、やめて。怖い。 自然と出てきた涙をグッとこらえて、そのまま顔を膝に押し付ける。 怖いよ。………成斗、助けて。 「―――桜!」