髪を暖かい物が撫でる
この感じ懐かしい
そうだこの感じは……

「母さ………!!ごめんシンシア!!」


ベンチの上で膝枕みたいな形で寝てしまっていた
シンシアが髪を撫でていたらしい


「真実の髪さらさらでうらやましい」


「俺は癖が強くてやだよ」


時計を見ると2時前だった


「そろそろ行こうか!!その前にちょっと来て」


歩いていくとでかいロッカーがあった

「えっと…あったあった!!」

中から旅行に行くようなカバンが二つでてきた

「よし行こう!!」


「俺持つよ」

二つは組み合わさり背負えるようになっていた

なかなかの重さだ
背が縮みませんように

「ありがとう」

少し赤くなりながらお礼を言ってくるシンシア
俺としては赤くなる理由がわからないと言う不意打ちをくらい赤いのが移りそうになる


レストランなどの裏を通り樹海の前に立つ


「すごい空気が違うね……行こう」

二人で同時に足を踏み入れる

そこは未開の地のようだった

木の根は異様に太くうねり地面からでている
上は葉に覆われまるでドーム状に見えてくる

光も差し込まず薄暗い