うそつきさる

 またある日、町ではオオカミさんのことでウワサがたちました。

 そのウワサとは、どんな火事でもオオカミさんの吐く息で消えてしまうそうです。

 そこで、さるは言いました。

「ぼくも息で消せるんだ」

 みんなは感心しました。

「それはそうと宝の地図をちょうだい?」

 と、ネズミさんは言いました。

「そんなこと言ったっけ?」

 さるの顔はみるみる真っ青になっていきました。

「忘れたの?」

「い、いや……取りに行くのがめんどくさいいのさ」