とても痛かったのだけれど、ここで悲鳴をあげたらお兄様やケルベロスさんがびっくりなさるわ。 虫か何かにさされたみたい……。 (屋敷に戻って見てもらおう) 痛む指先をじっと見ていると 「どうしたの?」 マイムお兄様がいつの間にか起き上がって私の後ろから覗き込んでいる。 「お兄様……」 本で顔を隠していたのに何故分かったのかしら? 私の疑問をよそに 「刺された?」 手をやさしく掴んで様々な角度から確認される。 「ちょっとチクッとしたの……」 言うと、お兄様の顔が険しくなった。