どうして私 こんなに忘れているのかしら……? あの人がこちらへ近づいてくる ほら もうすぐ顔がはっきりする きっと私、覚えているわ 三歩……二歩…一歩 前に立つあの人 私はその顔を見つめたけれど 逆行で暗い影が出来る その影はだんだんと広がって 徐々にあの人を蝕んでいった 同時に鮮やかな丘の風景も闇に溶かされてゆく 暗闇の中 一人佇む私