「……迷った」 ケルベロスさんの一言にお兄様達はまた笑いが止まらず。 「……でもねぇ」 お兄様は笑い終えた後、切り出した。 「当主に追い出された上、道に迷って、漸く辿り着いたところ悪いんだケド…… ボク今、妹と暮らしてるんだよねぇ。 だから無理」 ケルベロスさんの金色の目が見開かれ私を捕らえる。 「妹・・?」 「は、はじめまして」 ケルベロスさんは訳が分からないというように私を凝視している。 「そう、妹」 お兄様は私をケルベロスさんの視線から庇うように前にたった。