バーーーン 店の扉が乱暴に開かれた。 そこに立っていたのは浅黒い肌の大きな男の人。 ツンツンと重力に逆らうような短めな黒髪はほこりっぽく。 衣服は汚れが目立ち所々擦り切れている。 大きな鞄を背負っている。 私を隠すようにお兄様が前に立ったので背中から男の人の様子を伺う。 その人は金に輝く鋭い目で店の中を見回したかと思うと、 「……やっと見つけた」 その鋭い目の淵からポロリ。涙が零れ落ち、 バターーーン 派手な音を立てて床に頭から倒れた。