「大丈夫? 口を開けてごらん」 マイムお兄様が心配そうに顔を曇らせ、私の顎をくいっと持ち上げた。 「お、お兄様? お待ちになって…… だ、大丈夫よ」 押し返して俯く。 だっていくら兄妹でも恥ずかしいんですもの…… 「でも火傷したままだと困るでしょ?」 お兄様も譲らず。 仕方なしに私はお兄様に口を開いて見せた。 (でも、舌を火傷していたとして…それがわかって治せるものなのかしら?) 「あー…舌先がちょこっと赤くなってるね」 口惜しそうにしげしげと確認するマイムお兄様。