出かける際に、 「屋敷に魔界の書籍すべて集めようかな……」 そう呟かれたお兄様の瞳は真剣だった……。 ☆☆☆☆☆☆☆☆ そんなくだりのなか訪れたのだけれど、 シモン様はいらっしゃらないと目の前の真っ白な方はおっしゃる。 「本日は本をお借りするお約束で……」 「解っている。 シモン様は外せぬ用が出来た。 オレが留守を預かっている」 その方は私の言葉をさえぎって、 「オレはアデル。 天界に籍を置いている」