「あなたは誰?」 私の質問を予想していたかのように男の子は頷きながら 「ボクは君の兄」 答えた。 「君は忘れているんだろうケドね☆」 「私の……お兄様?」 『兄』という響きに 何かを思い出しかけたのだけれど それは捕まえる事が出来ず、 すぐに頭の中で薄れていってしまった。 「そう、ボクはマイム」 男の子はそんな私の様子を 注意深く伺いながら答えた。 「悪魔のマイム」