「こんにちは!」 「お散歩ですかぁ?」 さっきまで受けていた押し潰されそうな感覚が一掃されて、メルヘンの世界に迷い込んだよう……。 「いえ…その 私迷ってしまって…… モップルの実を探して森を歩いていたのだけれど……」 双子さんは顔を見合わせると 「モップルならあそこにあります」 湖の向こうを蛙のような水掻きのついた手で指差した。 ・・・・・・・・・・・・ モップルの実はたわわになっていて、 一つもいで口に入れると柔らかい果肉が口の中でジュワッとほどけ甘い蜜が広がる。