木々はざわめき暗闇が増し、 私は暗い森に飲み込まれていくような錯覚を感じた。 この広い森の中で私はとても小さな存在。 けれど少しでも動いたら森に潜む悪意に摘まれてしまいそうに感じて 一歩も動けなくなってしまった。 ・・・・・・・・・・・・ どれくらい時間がたったのか分からない。 大きな木を背に膝を抱えうな垂れていた私の耳に 微かな声が聞こえた。 遠くから響いてくるような子供の歌声。