(お兄様が窓を開けたの?)


差し出された手を取ると、身体がフワリと浮かび上がる。




夜の空へ少しずつ上昇していく。


月の下、2人でフワフワとダンスをしているみたい。

風が気持ちいい。





高く昇ると屋敷や森が小さく細かく縮んで見える。




「素敵……」




ほぅと小さくため息を漏らすとお兄様がクスッと笑った。





2人の顔がとても近くて、マイムお兄様の瞳の中に私の顔が見える。







お兄様は優しく微笑んで、


お兄様の瞳にうつった私も同じように微笑んでいた。