「そんな事ないわ?」 お兄様にはとてもよくしていただいている。 それでも睫毛を伏せて気落ちした様子のお兄様に 「私……幸せよ? 今日もとても楽しかったわ」 にっこり笑って見せると お兄様も諦めたように笑顔を作った。 「本当はもっと色んな所へ君を連れて行ってあげたいんだ……」 お兄様がぱちりと瞬きしたかと思うと、部屋の窓がバッと開いた。 夜の少し強い風にカーテンが舞う。 私が突然の事に驚いていると 「おいで」 マイムお兄様が手を差し出した。