「なに…… 我はそなたを一目見てみたかっただけだからな。 思いは果たされた」 フフッと含んだ笑いでカキさんはそんな事を言った。 (私を……?) 私には知り合いなんていないし…… 「もしかしてカキさんは……マイムお兄様のお友達?」 カキさんの目はますます細まった。 「そうだ。 あやつとは顔馴染みでな」 悪戯に微笑むカキさんは、やっぱり堂々と自信に満ちていて、 そして……誰かの面影がちらつく。 う―ん…… でも思いだせないわ……